対馬はべらぼうな寒さ。
北西の季節風も強く、外にいると体感的には氷点下のような日々です。
そんな天候の中、漁師さんは漁をしています。
今回は、僕が仕事でコーディネートしている学生実習で学生を受け入れてくれた日昇漁業さんの定置網漁の様子をご紹介。
定置網漁業とは、特殊な形状に網を海中に固定して、迷い込んだ回遊中の魚やイカを漁獲する漁法。
基本的にずっと同じ場所に固定されているので、四季折々、様々な魚種を獲るとこができ、
獲れる魚の移り変わりから海の中の季節を感じることのできる漁業です。
今の時期はスルメイカが主な漁獲対象。
出港してわりとすぐに定置網が設置されている漁場に到着。
定置網周辺では海鳥がたくさんいました。
日昇漁業の社長、我らが久保さんが自ら定置網を専用の巻き取り機会でたぐっていきます。
学生君も網をたぐる作業をお手伝い。まだ体験3日目でしたが、なかなか良い手つき!
しばらく網をたぐる作業が続き、そろそろ入ったイカが見えてくるはず。。。。
なんじゃこりゃー!!大漁やんけ〜!
大はしゃぎしてしまったが、これでも並ぐらいの漁獲漁らしい。
下の写真のように船に設置された大きなイケスにこれらのイカをタモ網ですくい投入。
ん??
漁師さんがそのイカを一匹一匹掴んでなんかしている。。。
そして漁師さんの足元には。。。。
なんだ??
この目玉のおやじ的な物体は。。
そう。これはスルメイカの口です!
一匹一匹スルメイカの口を取っています。
この作業を「くちばし抜き〆」と呼んでいます。
イカの口は鳥のくちばしのように見えるところからこのように呼ばれていて、
アオリイカ釣りをする人はイカの口を「からすとんび」と呼ぶこともあります。
それでは久保社長の華麗なくちばし抜き〆の様子を動画でどうぞ!
くちばし抜きの目的は3つ。
・スルメイカどうしが噛み合って身が傷つくのを防ぐこと
・神経系を突いて、即殺すること
・ 口の奥にある、神経節にダメージを与え、おとなしくする
・傷の有無を一個体ごとに判別し、傷混入率を減らすこと
**指摘やアドバイスをいただいたので追記しました。
ともかく、
これにより、鮮度が高い状態を長くすることができます!
く〜。美味そう。。。。
ん??船のイケスに水を張っている。。。何するの??
お、定置網に残っているイカをイケスに入れ始めた‼︎
これらのイカは漁港の中に設置されたイケスに入れられ利用されます。
これが漁港内のスルメイカたち。
はてさて、このイカたちは何に使われるのでしょうか、それは次の投稿で。
話を戻し、くちばし抜き〆されたイカは漁協に持って行かれます。
その頃には漁協ではおばちゃんたちお姉様方が待機しておられ、そちらに引き継がれます。
サイズごとに分けられ、箱にきれいに詰めていきます。
ううう。。。。美味そう。。。。
対馬の場合、消費地が遠く、また島外への出荷ルートがフェリーや飛行機に限定されるので、
それらのダイヤに間に合わせなくてはならず、この箱詰めの作業は一分一秒を争います。
箱詰めされたスルメイカはトラックに乗せられ、海を渡って消費地へ!
で!
その日のうちに約1000km離れた日本一の消費地東京の羽田に届きます!
すごい。。。。
翌日には東京のお店で食べられるようになっています。
しかもちゃんと「くちばし抜き〆」をしたとのラベルつき!!
ここの物流の話もまたブログでお伝えします。
鮮度保持のための漁師さんの一手間と早い物流によって、これまでにはなかった価値がつき、漁業の未来が変わっていくと信じています。
日昇漁業の皆さん、学生実習の受け入れ、ありがとうございました!
ブログ更新後、Facebookでくちばし抜きの効果について以下のような指摘や助言をいただきました。
ありがとうございます!
口球取って神経抜けるかな。構造からは不思議だ。
by 中央大学の海部さん
ちなみに、くちばし抜き〆といいますが、 実際には、即殺ではなく、 口の奥にある、神経節にダメージを与え、じきにおとなしくなる。 くちばしを抜くと食道らしきヒモ状のニョロニョロが付いてきます。髄液?血液?も流れ出しているのかもしれません。くちばし抜き〆作業のもう一つの利点は、一個体ごとに傷の有り無しを判別しながら、傷有りは青いプラスチックカゴ(バラと呼んでいる)はへ、キズ無しは黄色いプラスチック籠に分けるので、 出荷立て作業時とのダブルチェックになる。キズ混入率減
by 日昇漁業の久保さん
アドバイスに基づき加筆修正しました。
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